作戦決行日
いつもよりずっとずっと張りつめた空気
みんながみんなピリピリしてる
「!」
そんな雰囲気に押されながら、スーツに着替えるため更衣室に向かっていただったが
後ろから声をかけられてその足を止める
「キャロル!」
「良かった、まだ出撃してなくて」
「うん、どうしたの?」
「どーしたもこーしたもな い の!ラスティの護衛なんて、出来るの?」
「…だって任務だもん、大丈夫 ちゃんとやるよ」
ミゲル・アイマンらと同期で、ヴェサリウス専属ドクターのキャロルは
やはりとラスティの噂を耳にしていて、心配そうに彼女の頭をぐしゃっと乱暴に撫でた
「何があったか知らないけど、ラスの事は気にしちゃダメよ。前からめちゃくちゃな奴なんだから」
「うん、ごめんね、何も言えなくて」
「いいのよ、帰ってからグチでも何でも無理矢理聞きだすからさ、ちゃんと帰ってきてね」
「うん!ありがと」
ぽん と軽く背中を叩かれて の気持ちはいっきに引き締まった
そうだ、緊張なんかしてたら失敗してしまう
いつも通りでいい 無事に帰ることを最優先しよう
「いってきます!」
「いってらっしゃい」
キャロルに大きく手を振って、少しくった時間を取り戻すために走って更衣室へ向かった
準備はととのった
あとは出るだけ
出撃の命令を待つだけ
またきっと、絶対に、犠牲者が出る
それはザフト軍か コロニーの人間か それとも自分か 全部か 判らないけど
殺さなければ殺される だからやるしかない
自分にそれを回避する充分な力など持ち合わせてない
(出来ないことを いくら望んでも…)
いつのまにか下を向いていた自分の顔をふと前にやると
のんきなことに、こんな大きな作戦の前でも平気にイザークとラスティは何やら話している
「しっかしまあいいのかねぇ」
「何がだ?ラスティ」
「中立国のコロニーなんかに手ぇ出してさ」
「じゃあ中立国がコロニーでこっそり地球軍の兵器を作ってるのはいいのかよ」
「あはは、そりゃやっぱ、ダメっしょ?」
あたしもそれは 気に入らない
だって中立って 干渉しないって 言っておきながら
いつもそう
自分たちの手で あたしたちコーディネイターを造っておきながら
あたしたちを憎んで 妬んで その手で滅ぼそうとする
そんなの勝手だよ
だからって、コーディネイターがナチュラルを滅ぼしてもいいわけじゃないけど
なんで 仲良くできないんだろう
なんで こうなってしまったんだろう
ピピと小さな音がなって、ミゲルから通信が入る
少し上を見上げると、モニターには呆れたミゲルの顔が写っていた
「お前ら、あんま待たせんなよ」
「分かってる、よし行こう」
「OK」
「ザフトの為に、ってね」
ミゲルによって会話を遮られたラスティとイザークがその通信に返事をして、ついに出撃することになった
新型のMSの奪取、および新型戦艦の破壊
それがクルーゼ隊に与えられた任務
それを成功させるのが あたしたちの役目
あとがき
いつも中途半端^^
前々からキャロルを出したかったのです。オリキャラばかりで申し訳ありません;;;;
(2006/08/19)