明 け た 夜 1月25日 強い風が吹き荒れる あたしはそんな中 一人たたずみ泣いていた どうして泣いてるんだろう フと我に返ってそう思ったのはほんの一瞬だけ 忘れたくても忘れられないことが、目の前でおこってしまった あたしを置いていかないで どんなに大声で叫んでも 返事はなくて 最期の瞬間にそっと触れてくれたその手のぬくもりが みるみるうちに凍り付くように冷たくなったそのぬくもりが 鮮明に記憶に残るだけ 置いていかないで ずっと 待ってるから さよならなんか 言わないから 「ねぇ 僕まだ死にたくないんだけど…」 そう呟いてはみたものの 誰も返事なんかしてくれなくて 「僕、まだやりのこしたことがあるんだけど」 ふたことめ 誰にも届くことのない言葉 真っ白い視界、空間 だけど確かに感じる 時の流れを 時間は、自分だけを残して過ぎ去ってゆく ふと、気が付いたら 視界には見覚えのある景色が広がっていた おそらく自分が最後に見たであろう景色と、赤い色と、悲しい瞳 が泣いてる 横たわる僕の前でずっと泣いてる もうすぐ消えてしまう僕と 来ない人をただ待ち続ける彼女が そこにいた 「お願い逝かないで…」 がつぶやいた そしてそっと僕の額に手をやっているのが見える それをそばで見ている僕は、感触を感じることも、ここにいるよと言うことも許されず ただ吹き荒れる風に、オレンジ色の髪の毛だけが揺れていた 「やだ、ラスティ」 どうして動いてくれないの どうして返事してくれないの どうしてこんな目に遭わなくちゃいけないの 「あたしはただ、ラスティと一緒に生きてたかっただけなのに!!」 自分とラスティしかいないこの場所で あたしはラスティに覆い被さるようにして泣き続けた 「ここにいちゃダメだよ、もう行かなくちゃ。ね?」 もう見ていられない いつまでも僕にとらわれて泣いていてはいけない こんなこと思う日が来るなんて生前じゃ考えられなかった もしものことがあれば一緒に死んで欲しいとまで思っていたのに そんなこともう思わない には生きていて欲しい こんなところで、僕のせいで、腐ってはいけない そして、幸せに感じれる場所を見つけて欲しいんだ 僕といるときより幸せに…ってのはちょっと譲れないけど せめて同じくらい、ね 僕はもう覚悟できた だからも 僕の体はもう動かないけれど がこの場所から旅立つ瞬間を見てるから どれくらいの時間が流れたのか いつの間にか風は弱まり、空は綺麗に晴れ渡っていた 「ラスティ…?」 少しだけど動いた気がした しかしそれは 赤く染まったラスティの髪で …風はもうやみかけているのに 「もう…行けってこと?」 さらさらと、わずかな風にのって 揺れるその髪は きっと彼が最後の力を振り絞って、あたしに手を振っているかのように見えた 「しょうがないね…」 ラスティがそう望むのなら でも、さよならは言わないから だから、 「ね、また会う日まで」 ラスティ 時は進む 彼女を連れ、僕だけを残して だけどこれでいいんだと心から思えた時、僕は本当の愛に出会えた気がした 夜が、明けた気がしたんだ あとがき 中途半端?^q^ 判った方いるでしょうか。これは私的解釈の「暁の車」です。 公式ではカガリのイメージソング?だったと思います。確かにそうだと思います。 でも私の中ではラスティソングなんです。 といいますか、「オレンジの花びら揺れてる 今もどこか」って、 絶対「遺体がまだ回収されてない」ってことじゃん!!!!!!! とか勝手に思って泣きそうになったりよくしてます。笑 とりあえずオレンジといえばラスティと直結させる貧相な脳みそです。 (20070517) |