「クリマス?」 「ちがうって…、ク・リ・ス・マ・ス!」 「クリス ます ??」 「そうそう」 同じ敷地内にあるセイラン邸の本館 別館からは相当な距離があるが、その本館の門の前にはキラキラと光る木があった 窓から外を眺めていたはかなり視力が良いらしく それを見つけてユウナにあれはなんだと聞いてきて今に至る 一方のユウナはここ最近は仕事に追われ、すっかりクリスマスのことなど忘れていた 恋人達の一大イベントだというのに 「今日は23日だから、明日がイヴで、明後日がクリスマス」 「いぶ?」 「うん、クリスマスにはね、サンタクロースが来るんだよ」 「さんたく ろ?」 ソファに座って紅茶を飲みながら、ユウナは軽く説明をする 聞いたことのない単語(記憶があるときはきっと知っていたのだろうけども)ばかりが飛び交い もはやは理解することを投げ出す寸前だったが 「それで、イイコにプレゼントをくれるんだ」 「プレゼント!?」 その言葉に一瞬にして食い付いた は目を光らせてユウナをみつめている (君はこどもか…!) 「なに、さんたくろ、なにくれるの??」 「じゃなくて、サンタ・ク・ロ・ー・ス」 「サンタ、クロース…、プレゼント、なに?」 「欲しいものをくれるんだよ」 「ほしいもの?」 「いい子にしてればだけどね、何か欲しいものあるの?」 「欲しいものはー…」 すこし外を見ながら悩んだかと思っていたら、すぐにこっちを向き ユウナの顔をまじまじと見つめはじめる 「思いついた?」 「うん、「ユウナ」!」 の視線はユウナの目にぶちあたったままで 嬉しそうなに対して、ユウナの顔はみるみる赤くなっていった 「…え?」 「あたしユウナが欲しい」 「!!!!!!???????」 思わず手に持っていたティーカップをガッチャンと乱暴にテーブルに置いてしまった いつからこんな大胆になったんだは! その前にこんなジョークを言えるようになったのか!? 誰に仕込まれた!?アレックスか、カガリか!はたまたドクターかメイドか! 最大の誘い文句(とユウナは受け取った)に目をまわし、誰か助けてくれと心で叫んだ瞬間 こちらをのぞき込んでいたがまた口を開いた 「ユウナ最近お仕事忙しくて、あんまり一緒にいられないから…」 「へ?」 「クリスマスはサンタクろーす?にユウナをもらって、一緒にいたいなーって!」 「あ、 そ、 そっち?」 「え?」 「いいいいや、なんでもないよ」 がそんな下品な冗談言うわけないじゃないか!なに勝手に舞い上がってるんだ僕は! 再び紅茶を飲みながら、真っ赤になった頬をそう言って落ち着かせ クリスマスには有休をとれるよう何とか掛け合ってみることにした 「ごめんね、寂しい思いさせて。なんとかしてみるよ」 「サンタくろーすがくれるんじゃないの??」 「あ、…そうだったね(もう忘れてた)。じゃあ僕は休みが取れるようにお願いしようかな」 「だめだよ、ユウナは「が欲しい」って お願いしなくちゃ」 ブーーーーッ 目をまん丸くして、口に含んだばかりの紅茶を豪快に吹き出し、 ユウナは前に倒れてテーブルに頭を打ち、動かなくなってしまった 心配そうに背中を叩いて意識を確かめようとしてくるの相手も出来ないほどに今の言葉がきいたらしく 「頼むからその、無垢な顔して誘い文句ばっかり言わないで…!」 「え??」 そのあとメイドに手伝ってもらって、ユウナは医務室まで運ばれていった そんな2人が2日後のクリスマスをどう過ごしたのかはまた、別のお話。 「ドクター、ユウナ大丈夫?」 「ちゃん、何があったの?ユウナ様熱出てるんだけど…!」 「え?わかんない、なんでだろ??」 あとがき ユウナ、ウブすぎるの巻(笑) 微妙に過ぎてますが。クリスマス夢ってことで。 (2006/12/26) |