ユウナのぎこちない運転で、また家に戻ってきた
今日は本当に楽しかった
いつもよりたくさんユウナと一緒にいれて
いつもよりたくさんユウナと話が出来て
いつもよりユウナの近くにいた
詳しくは聞かなかったけど、ユウナはお仕事が休みだったのかな?
「ただいまー」
誰もいないセイラン邸にそうつぶやきながらは靴を脱いだ
セイラン邸には実質とユウナしか住んでいない
ココはいわゆる別館で、両親は本館に住んでいる
同じ敷地内にあるといえども、結構な距離だ
もちろんの事も秘密で
別館で働くメイドにも口止めしてある
(でもいつばれることやら…早く父上達とも話つけなきゃなぁ、カガリとのこと)
いつもそう思いながら先延ばしにしてきた
焦りはつのるばかりだ
「ユウナ?」
そんなことを考えていたらいつの間にか前に立っていたが顔をのぞき込んでくる
「あ、ああ…ごめん。なんでもないよ」
疲れたのかも、と付け足しての頭を撫でてやった
「これからお客様が来るから、は部屋に戻っててくれる?」
「うん!」
街で少々ゆっくりしすぎたか、面会時間まで少ししかなかった
(着替えるだけでいいか…)
オーブ議員の服を身にまとい、自慢の長い髪をすこし整えて自分のソファにゆっくりと腰掛ける
(アレックス経由でザフトの軍人…か。)
アレックスの事も前から怪しいとは思っていたが、コーディネイターだから前に軍に居たのかも知れない
いやしかし、軍に居たのならカガリと知り合ってはいないはず
何なんだ
どういうことだ
そしても…
ピンポン
客の到着を告げるベルが館に鳴り響いた
はいただいま、とメイドが玄関口に駆けつける音が聞こえ、ユウナも出迎えに行こうとソファから立つ
玄関に向かうと、そこに立っていたのは三人の男
一人はもちろんアレックス
「お連れ致しました」
「あぁ、ご苦労だったねアレックス」
「こちらはザフト軍ジュール隊の…」
アレックスが言いかけると同時に、ぱっつんと揃えられた銀髪をなびかせ綺麗な顔立ちの男が前に出た
「初めましてユウナ様……あ」
「あっ、あぁ…なんでもありません」
(イザーク、こいつがユウナ・ロマ・セイランだったってワケ?!)
(…らしいな)
街でと一緒にいた男が今目の前にいる
驚きを隠せなかったディアッカは、挨拶より先にイザークに耳打ちしてしまった
「私はザフト軍ジュール隊隊長、イザーク・ジュールと申します」
「同じくジュール隊、ディアッカ・エルスマンです」
二人は詳しいことはいずれ分かると気を取り直し、名乗り挙げる
「初めまして。ユウナ・ロマ・セイランです。」
まぁここではなんですから。と付け加え、客室へと案内した
アレックスは一応の見張りと言うことで、客室の外に待たせておく
ユウナ、コーヒーカップが3つ置かれたテーブルを挟み、イザークとディアッカ
という風に座った
「さっそくなのですが、・の事です」
「………」
「ご存じですよね?こちらに居ると聞いて来たのですが」
イザークの瞳はまっすぐにこちらを向いていた
思わず逸らしてしまいそうな、するどいまなざし
しかしユウナも逸らすようなことはしない
若干押され気味ではあったが、しっかりとイザークの瞳を見つめ返した
「ええ、はここに住んでますが。」
「!」
イザークとディアッカはふいに顔を見合わせた。
やはりそうだったのか
だったらどうして今まで見つからなかった?
何故アスランは俺たちに教えなかった?
何故は俺たちを捨て、こんな奴と共に居ることを選んだのか?
さまざまな疑問が二人の脳に駆けめぐった
「会わせてくれ!俺たちはヤキンの戦いが終わってからずっと…」
「ちょっと…ッ!落ち着けよイザーク!」
「うるさい腰抜け!!!!」
辛抱出来なくなりユウナに掴みかかろうとするイザークを、ディアッカも全力で抑える
女のような顔をしているが力は相当強い
がたいのよく見えるディアッカでも必死で止めなければならなかった
「すみません。でも何がどうなってがここにいるのかは知りませんが、話をするくらいいいでしょう?」
やっと落ち着いたイザークの代わりにディアッカが言う
「ちょっと待って下さい」
「?」
「僕だって何も知らない。どういう事ですか?あなた達はの何なんですか?」
「なんだと…?」
「イザーク!え、何も聞いてないと言うこと…ですか…?」
「ええ。だってあの子は…」
ガッシャァァン!!!
ユウナが言いかけて突然すごい音が鳴った
何かが割れたような音…
3人ともすっかり驚いて、ドアの方を見る
「!?どうしたんだ!部屋に居たんじゃなかったのか?!」
「アレックス…ごめんなさ…あたし…」
「謝らなくて良いから。ケガは?ユウナロマを呼んで来るから触るなよ」
微かだがアレックスとの声がした
同時に少し慌ただしくこちらに向かう音と、後ろからこっそり着いてきているような音
ふたつの足音が聞こえてきた
コンコン
「失礼します」
そして運命のノックが部屋に鳴り響く。
あとがき
更新が亀以上に遅くてごめんなさい・・・!!
さんざん遅くなってこんなのでごめんなさい・・・!!
本編もまだユウナが活躍することを夢見ています^^(今関係ないよ(笑))
(2005.05.30)