「んっ…」


そっと目を開けると眩しい光が差し込んできた
開いた窓から風が入り、カーテンを静かに揺らす

(朝…?)


頭が働かないまま体を起こそうとすると


「―──っ!」

右腕に激痛が走った

(そうだ…あのまま気を失って……。は!?)


「ユウナ!」

そう思った瞬間、部屋の奥からが駆けつけてきた


「ユウナ!!大丈夫?ここ医務室だよ…わかる?」

「大丈夫…分かるよ、


昨日のことでの目の腫れはまだ引いていなかった
もしかしたら心配させたことでまた泣いてしまったのかも知れない



護ると言ったのに…そう決めたのに
僕はを泣かせてばっかりだ


「…すまない」

「…ユウナ?」

「ごめん…ごめん…、ごめ…」



痛いはずの腕を立ったままのの腰に回して抱きついた
自分でも何をしたいのかよく分からない
けどただ
ただ謝りたくて

自然と涙が出てくる
涙を見せるわけにはいかないから下を向いて―─


ごめんよ
僕の所に来てから君は「ごめんなさい」が口癖になった
謝らなくても良いよと何度言っても治らなくて
そうさせたのはきっと僕だ

僕の所に来てからすぐに泣くようにもなって
僕は君を不安にさせてばかりいたんだ

たくさん辛い思いをさせて
昨日も護れなくて…



本当に情けない。心からそう思う
それでも僕は


「きみが…すきなんだ」

「ユウナ…」

「だから…ごめん…辛い思いばかりさせてごめん…」

「あたし、辛くなんか無いよ…?ユウナ、顔上げて…!」


そう言われてユウナはそっと顔を上げた
また心配をかけた事に今更になって気付く
の目には涙が溜まっていた




「ユウナ泣いてるの…?どうして?あたしのせい…?」

「まさか、君のせいなんかじゃないよ。悪いのは全部僕だ」

「なんで!?なんでユウナが悪いの!?」

…」

「ユウナは何も悪いことなんてしてない!ユウナ優しいもん!あたし知ってる!」



はそう言ってくれる
いつも僕をかばう 僕を優先に考えてくれる
でも、それがを傷つける結果になってしまうのだ
僕がしっかりしないから


心の内を話せばは今度は泣くことを我慢してしまうだろう
それでは余計に辛い なんの解決にもならない
だから、言わない


ではどうすればいい?




「あたし昨日ずっと考えてたの」

「…?」

「ディアッカとかイザークとか、あたしが記憶なんていらないって言うから…傷つけた」

「……」

「ごめんなさいっていっぱい思ったよ。前のあたしを知ってる人の事なんて初めて考えたから。でも…それでも」




ベッドに座ったままのユウナの顔を両手でそっとつつみ、上を向かせた

「それでも、記憶がなくなったお陰でユウナと出会えたんだから!ユウナをこんなに好きになれたんだから!」

「!」

「あたしは良かったって思ってるよ!ユウナは違うの?」



がここまではっきりと自分の考えを言ってくれたのは初めてではなかろうか
何も言えなかった こんな風に考えていたなんて…
僕は何も分かってなかったんだ



「ユウナ、心配しないで。あたし幸せだよ…?」

…」



いったん止まった涙がまたあふれ出した
情けない もうは泣いていないのに
あふれた涙は頬を伝っての手を濡らす


「僕も幸せだよ…君と出会えてすごく幸せだよ」

「ユウナ…」



は近くにあったイスに座り、ユウナの腕に負担をかけないようそっと抱きしめた

「不安だったんだ…僕が君を苦しめてるんじゃないかって」

「そんなわけないよ。だいじょうぶだから。」

「あぁ…もう大丈夫。」



ユウナはまわされたの手をはずし、彼女の肩に手をやった

「目、瞑って」

「うん」



少しずつ顔を近づける
そしての柔らかい唇に自分のそれを重ねた


ほんの少し触れただけのキス
それでも二人にとってはとても大事で
とても照れくさくて




「あ、あたし…お医者さん呼んでくるね!」

「あ…あぁ、うん…!」




パタパタと部屋を出る
ベッドで固まったままのユウナも



顔を真っ赤にし、嬉しそうな表情を浮かべていた








































あとがき

ゲロゲロゲロゲロゲロゲロ・・・!(恥)
私の中では糖分100%に達しました。
こんなの書く予定じゃなかったのになぁ(笑)
初チューおめでとうございます・・・!OTL
(2005.06.04)