「アレックス、仕事は良いの?」

「あぁ、カガリもユウナロマと同じさ。ずっと会議だ」

「そっか、じゃあアレックスも寂しいね」




が口にする言葉はあまりに純粋で、アレックスは時折とても恥ずかしい気持ちになる


どうしたの?とでも聞きたげな瞳でこちらを見上げるに戸惑っていると
急に医務室の電話が鳴り響いた




「もしもし?」





医務室の電話がなって、良い報告だったという事はほとんどない
妨げになるといけない と 会話をやめていたアレックスとは、
遠目でドクターの顔を見ていた
そのドクターの表情が徐々に険しいものになってゆくのは
手に取るように分かる事だった





「分かった。すぐに行く」



ガチャ、と受話器を置いて足早にドクターはに近寄る



「ごめん、街で大きな交通事故があったらしい」

「え…?」

「人手が足りなくてね、援助に行ってくるよ。アレックス君…」

「わかりました、は俺が見てますから」

「ありがとう。何かあったらすぐに言ってくれ」

「はい」




ごめんねちゃん と一言残し、ドクターは駆け足で部屋を去った















ドクターがいなくなって数分
部屋は変な沈黙が流れていた



何か話さなければ

そう思い、話を持ち出したのはアレックス





「そ、その、体は本当にもう大丈夫なのか?」

「うん」

「辛かったら言ってくれよ」

「うん」








―──つ、続かない…!


ユウナロマはどうやって会話してるんだ
とはこんなにも話しにくかったっけ


色々思いだしてみたが もとよりそんな話す方でも無かった
どちらかというとディアッカやイザークと仲が良かったから
それに今のとは全然ちがう
こんな穏やかでは無かった
もう少し気が強くて 積極的で…



もし記憶が戻ったらどうするのだろう
今とは違う性格のを、ユウナロマは好きでいられるのだろうか
過去を思いだしたは、ユウナロマを好きでいられるのだろうか




考えても仕方がないということは分かっているけれど






「アレックス」



うつむいたまま考えていると今度はから声をかけてきた



「え、あ……何?」

「少し眠いから、寝てもいい?」

「あぁ、うん。分かった。」

「あ、の…そこに 居てね」

「…え?」

「そ、その、怖い夢…見るから…」




俺の反応がいけなかったのか
顔を赤く染めては答えた

怖い夢、か



「あぁ、ここにいるよ」

「ありがとう!」



そういうとはベッドにもぐりこみ、アレックスの方を向いて目を瞑る
大丈夫とは言ったもののやはり疲れていたのだろう
すぐに寝息が聞こえてきた




何か変な感じだな
いつもいつも
を呼ぶからとラスティに部屋を追い出されて
ミゲルの所や、空いた部屋で寝ていたことを思いだした



その俺が
こんなに近くでの寝顔を見ている












本来そこにいるはずのラスティは




















いない。














































あとがき

ユウナが出てこなかった・・・!(笑)
ミゲルの部屋は本当はオロールと同室ですよね。そのあたりはご愛敬。で。(汗)

(2005.07.23)