記憶が戻ってもずっと大好きだと神に誓って 一人暮らしをしようと言う彼女を、そばにいてほしいと引き留めて 彼女の笑顔があれば、ただそばにいてくれさえすれば、何もなくたって僕は幸せなんだ それなのに僕は これ以上何を望んでるんだろう がコーヒーをいれてくれると言うので、今日は一緒に街まで買い物に出ることにした 何でもブレンドするには、専門の店に行って何種類も購入しなければならないらしい 紅茶が好きなユウナの館にはコーヒーは置いていなかったから この日の買い物はずいぶんと大量なものになった 「これでユウナの好きな味になりそう 、かな」 「へぇ、奥が深いんだねぇ」 「うん。あたしも最初は興味なかったんだけど、」 言いかけている途中に、はそばにあったコーヒー豆の袋を手に取る 「それも買うのかい?」 「う、ううん、これは…あたしの…」 その袋をみて思いだすのは、自分の一人目の命の恩人 身寄りのないあたしを育ててくれた人 コーヒーのいれかたを教えてくれた人 軍人としての戦い方を教えてくれた人 「…の?」 「お、とう さんが 、好きだったな…って」 「お父さん!?そ、そっか、すっかり忘れてたよ、のご両親に連絡しなくちゃ」 ユウナは言い終わってから ハッとあることに気が付く 先の大戦が終わり、の面倒を見ることになってすぐ アレックスが持ってきたの個人データには、両親の存在はなかったのだ もちろんそれは最低限のデータであって、名前や生まれた年、身長・体重に、人種のみしか書かれておらず 軍人だということは知らなかったわけだが 「ううん。いいよ、もう死んだの」 「ご…ごめん」 「あはは、気にしなくっていいよ、大丈夫!」 だって自分はまだ過去の話を何もしていない ユウナが知ってるのは、あたしがクルーゼ隊にいて、ラスティと恋人同士だったということだけ ホントは、小さい頃からずっと ずっと、軍隊にいて ナチュラルも、コーディネイターも、たくさん死んでいくのをずっと見てきたって 数え切れないほどの人を殺してきたって まだまだ話さなくちゃいけないことは山ほどある それを聞いても、ユウナが一緒にいようって思ってくれるか わかんないけど 黙ったままっていうのも、嫌だから 「じゃあこれ買ってくるね、」 「あ、うん!絶対お金返すから!!」 「別にいいのに…」 そうつぶやいたのも聞かずユウナがお金を払っている間に、は先に外に出る すると、近くの道路に見覚えのあるエレカが停めてあった 運転席に座っているのは、よく見慣れた蒼色の髪をした青年 「アス…、アレックス!」 「! 、何してるんだこんな所で」 「ユウナと買い物。アレックスは?」 「俺も買い出しだよ。今終わったところだ」 後ろの席を見ると食料や、生活用品が山のように積まれていた これを全部カガリが使うのかな ? なんて些細な疑問を抱いていると、後ろから精算を終えたユウナが合流した 「やぁアレックス、何してるんだい」 「そうだ、前から言いたいことがあったんだ」 「無視かいアレックス君」 「あはは、なに、言いたい事って」 ユウナがムスっとしているのを横目で確認し、笑いながらアレックスは続ける 「俺が今から向かう所に、君のジンが保管されてるんだ」 「 …え !?」 笑いながら言う割にはなんとも重大な話 自分が使っていたジンが残ってる?それも、 オーブに。 一体どういうことだ 今から向かうってどこ? でも機体を保管出来る場所なんて… まさかオーブ軍? 「ジンって、モビルスーツのことかい?」 「あぁ、のは特殊な塗装がしてあって白いんだよ、な」 「う、うん。そう、だけど…」 「良かったら見にいかないか?修理はしてないから損傷は酷いけど、アレを今後どうするかも君に決めて貰いたいから」 願ってもない言葉 正直、あの戦争を鮮明に思いださせる機体を見るのは辛いけど あれは大切な人たちから貰った大切な機体 それに、コックピットにはまだ… 「行く!」 「僕も見てみたいな」 「ほ、ほんと!?ユウナ」 「うん」 「じゃあ俺が先に車出すから、あとからついてきてくれ」 「分かった。、エレカ取ってくるからちょっと待っててね」 もう一度、あの子に触れられるなんて夢みたい 長い間、あたしの大事なパートナーだったから もし、コックピットの損傷が激しくなかったら ユウナに見せたいものがある 分かり合いたい想いがあるの そう考えながらは、目の前に停めてくれたユウナのエレカに乗り込んだ あとがき ちゃんは自分のジンが大好きなんです あの子とか言っちゃうんです 最近なんだか短めですねー;;;クセになってきたようなOTL (2006/10/06) |