「お、おと、おとうさ… ま?」 「冗談だろ?そんな年も変わらないんじゃ…??」 アンディがの父親であるということ その発言を聞いて驚いたのはアスランも同じだった 彼が知っていたのは、がバルトフェルド隊の隊員だったということだけ 上司と部下にしては、随分と仲が良いなとは思ったが バルトフェルド隊はそういう部隊だと聞いたことがあるので、さほど気にしていなかったのだ 「まーそれには色々ワケがあるんだがね」 「うん、血は繋がってないんだよ」 「そうだったのか…!」 納得するアスランとはうってかわって、隣にいたユウナは動揺を隠せないでいた おろおろしながら一歩二歩と、ゆっくり後ずさりする 「ユウナ様?」 「い、あ、 ユウナで構いません!!!!」 「はぁ…」 アンディは、先ほどよりもっと頼りないユウナのそんな様子を見かねて声をかけた が 逆効果だったようで どもるわ噛むわでキチンと話も出来ない状態に追い込んでしまう 「僕はが君と一緒にいることにはもちろん賛成だから、そんなビビらなくっても」 「え!? …あ、ハイ!ありがとうございます!!」 「ユウナ、大丈夫だよ。アンディはただの変な人だから」 「」 「…はい。」 するどい視線でにツッコミを入れた後に、その目を目の前にあるの機体へと向ける の背後にたたずむソレは、かつて彼女と生死を共にした仲間で 彼女のかけがえのないパートナーでもあり アンディとアイシャからの唯一の へのプレゼントでもあった 「コレ 見に来たんだろう?」 はアンディの指さす方へと体の向きを変える 「あ…」 電気がついてからはアンディしか見ていなかったから すっかり本来の目的を忘れていた そうだ この子に会いにきたんだった ずっとずっと 自分を護ってきてくれた この子に 「ローレライ…」 "ローレライ" かつてのパイロットからそう呼ばれたソレは、本来なら白を基調とした機体なのだが その面影も見つからないほどに、数々の戦場を生き抜いてきた勲章ともよべる傷跡が痛々しく残っていた 今はとてもじゃないが起動できないだろう この状態で、が生き残ったことがむしろ奇跡だといってもいい 「ローレライ、っていうの?の機体」 「うん、神話からね。戦いを止めることが出来るようにって、」 「そっか…」 「こんなにボロボロになっちゃったんだ…」 ごめんねローレライ。 あたしを護ってくれてありがとう。 ずっと待っていてくれて、ありがとう。 「アンディ、コックピット入れる?」 「ん?あぁ…だが危ないぞ」 「大丈夫。あそこにお守りがあるの、取りに行きたい」 「お守り?ま、いいか。アスラン君、準備して貰えるかな?」 「わかりました」 アンディの言葉をうけてアスランは小走りで格納庫の管理室へ向かう ユウナは、機体を優しく触るをずっと見ていた 彼女はおそらく、これに乗って多くのナチュラルを撃った そして、そのナチュラルに多くの仲間を殺された 「ラスティ」もそのうちの一人 なのに今 ナチュラルの自分と コーディネイターのがこうして一緒にいる それがどこか不思議で 当たり前になっていることがもっと不思議で 何と呼べばいいのかわからない感情がユウナに溢れていた そうこうしているうちにアスランの方で準備が出来たらしく、いよいよは"ローレライ"のコックピットへ侵入する 「久しぶりだね、」 2年ぶりに見るこのシート 爆発があったのか 焦げて破れてしまっている ほこりも溜まってしまっていた 「きっとココに座ったら、楽しかったことも悲しかったことも 全部鮮明に思いだすんだろうなぁ」 すごくこわい だけど、それが今まで自分が通ってきた道だから 崩れないように、片方ずつそっと足をつける そうしてゆっくりとシートへ腰を下ろした 少し足場を気にしながらも、姿勢をととのえて深呼吸する 出撃前のこの感じ 緊張感 そして最後にこのローレライに乗りこんだときに交わした彼との通信 すべてを脳内に並べながら、大きく息を吸っては俯いていた頭を持ち上げ前を向いた 目の前に見えるのは、ボロボロになってしまったラスティの顔 いつも いつでも 一緒にいられるように 安心出来るように こうすれば怖くないからと はある日、コックピットの正面にラスティの写真を貼った それが彼女の言う「お守り」 何よりも強力な、大切な、お守り 「まだ…残っててくれた…」 ずっと、待っててくれた 「ラスティ…っ」 そのお守りを強く握りしめた瞬間、 彼を強く想い、欲した瞬間 また、涙が止まらなくなった あとがき ローレライの型がジンなのは、私がジンめちゃくちゃ好きだからです。(笑) バクゥも好きなんですが宇宙じゃアレだし…。 あとはゲイツが好きです。 どうでもいいですね。(笑) (2007/05/13) |