「おーい !だーいじょうぶかぁ〜?」 下から叫ぶ声が聞こえる アンディだ その声にフと我に返ったは、だいじょうぶと返そうとするが 何せまた泣いてしまったものだから、涙声になっている どうやって誤魔化せばいいものやらと悩んでいた 「って…なんだ?それ」 苦悩の末はコックピットから腕だけを出し、大きく横に振る 「大丈夫なのか?」 「…ヘーキ!!!!」 短い単語だけ口にし、は握ったお守りに視線をやった 思い起こせばこれはいつのことだったか "足つき"を追っていて、すごく忙しい時だった気がする いつも一緒にいたディアッカ・イザーク・ニコルとは母艦が離れてしまって 少し不安になっていた時だった、確か お守りにしたいから写真を撮らせて、と頼んだら、 恥ずかしいからと断られたのを覚えている ラスティの部屋の前で待ち伏せして、出てきた瞬間を撮った写真 笑顔じゃなくって、本当に気を抜いた時のラスティの顔がそこにいた 盗撮だー!なんて言われたりして その写真をずっとこうして、お守りとしてコックピットに置いていたことをラスティは知っていたのだろうか 会いたいよラスティ 会いたくて 会いたくて どうしようもない いっぱい話したいことがあるよ もうこの世には居ないけど 今までの分がぜんぶ溢れだしてきて 好きで 好きで 好きなの、ラスティ どうしよう あたし、最低だ だめだよ あたしは ユウナのことが 「ユウナ…」 もうこの世にいなくなってしまったラスティへの想いは、止めなくてはいけない あたしには、大好きなユウナがいるのだから 大きく首を横に振って、一息ついた だけどどうしても 手に握りしめた彼の写真を離すことは出来なかった もう少しだけ ここにいさせて また涙が溢れる 初めて出会った時のこと 好きになった時こと 愛されたこと 別れの瞬間 自ら命を絶とうとしたこと それほど多くはないが、写真から伝わってくる確かな想い出に その重さに 大切さに 愛おしさに 悲しさに 自分の愚かさに 耐えきれなくて 手首がひどく痛む 「」 どこからか名前を呼ばれた気がして ふと首だけを後ろへ回した そこにいたのは 「ユ、ウナ…」 ユウナ、だった 「あ、ハハ、ごめん…気付かなかったや」 写真を持っていない方の手でごしごしと目をこする 視界をスッキリさせてからもう一度ユウナを見た こちらを見るユウナの目は、ひどく悲しそうだった 「なん か、色々思いだしちゃってさ、ごめんね、気にしないでね」 「ここまで登ってきてくれたんだね」 「そろそろ降りよっか」 ユウナの口からは何も発せられないので、は次々に言葉を繰り出す 最後にもう一度ユウナの方を見ると、ばちっと目があってはなせなくなった そうかと思えば、ふと手首を握られる 「これが…ラスティさん?」 古ぼけた写真を見て、微笑みながらユウナは言った ユウナの口からラスティの名前をきくと、変な気持ちになる だけど、なんだか嬉しかった 「うん…ラスティ。あたしの命を護ってくれた人」 「そ、っか…。ありがとう、ラスティさん。を助けてくれて」 「ユウナ…」 「機会があればさ、お墓参り行きたいね」 ユウナからそんな言葉が出てくるなんて思わなかった ううん、ユウナだから言えるんだ 広くて大きくて暖かい心を持ってるユウナだから それなのに それなのに自分は 「…うん」 あたしは。 あとがき 久しぶり過ぎて申し訳ございませんんんんん!!!!!!!! しかもみじかい! いつも言ってる;;; (2007/09/19) |